戦前の浪漫主義を代表する「鬼火」は発表時の削除部分を復元し、併せて乱歩の「陰獣」と並ぶ竹中英太郎の傑作挿絵を全点復刻した。
戦後本格探偵小説の途を開いた「本陣殺人事件」及び「獄門島」の二大長編、そして同じく金田一物の名品「百日紅の下にて」「車井戸はなぜ軋る」に、発表誌のあてもないまま書きたくて書いたという「探偵小説」を配す。
（カバーより引用）

1986年1月24日発行。

【収録作品】

写真「横溝正史」（昭和50年撮影）
鬼火（〈新青年〉昭和十年二、三月号発表）
探偵小説（〈新青年〉昭和二十一年十月号発表）
本陣殺人事件（〈宝石〉昭和二十一年四月～十二月号連載）
百日紅の下にて（〈改造〉昭和二十六年一月新春特別増刊号発表）
獄門島（〈宝石〉昭和二十二年一月～昭和二十三年十月号連載）
車井戸はなぜ軋る（〈読物春秋〉昭和二十四年一月号発表）

解説・年譜
　王道の人 by 栗本薫
　横溝正史年譜 by 中島河太郎（編）

編集後記

日本探偵小説全集付録8（第9巻・昭和61年1月）
　「鬼火」のころ by 横溝孝子
　血への供物－正史、乱歩、そして英太郎－ by 中井英夫
　編集部うら風景 by 乾信一郎