隅田川の川口に浮いた貸しボートの中で、豊満な肉体をレインコートに包む四十歳前後の女性と、裸の青年の死体が発見された！
女は絞殺されたうえ左の乳房を鋭利な刃物でえぐられており、青年も首にひもの跡をのこし心臓をひと突きされているのが致命傷であった。
「生首半切り擬装心中事件」と称されたように、不審なことに二つの死体の首がどちらも半分切られていた!?
名探偵金田一耕助の推理によって浮かび上がってきたものは・・・・・・!?
女は某省某課に勤める大木健造の妻藤子、青年はＸ（エックス）大学ボート部のチャンピオン駿河譲治と分かった。
そして、殺害現場は合宿のボート・ハウスと判明！
ボート部員をまきこんだ殺人事件のナゾとは!?
―――昭和三十二年初出発表の名作「貸しボート十三号」他二編収録！
（カバーより引用）