「エロティック・ミステリー」が独立した雑誌として創刊されたのは1960（昭和35）年。
だが、そのルーツは52年に発行された「宝石」創刊にまで遡る。
この雑誌の特色は戦前派から新鋭に至るまでの多彩な作品の再録にあった。
誌名が示すとおり”性”に関する読物にも力を入れていた。
本巻は、60年代前半、ミステリーに賭けた作家たちの情熱溢れる作品群を収録する。
（カバーより引用）

【収録作品】

まえがき by ミステリー文学資料館
独特の編集が異色作を生んだ「エロティック・ミステリー」 by 山前譲（やままえゆずる）

【エロティック・ミステリー】
喪妻記 by 福田鮭二（ふくだけいじ）
いたずらな妖精 by 縄田厚（なわたあつし）
キャッチ・フレーズ by 藤原宰（ふじわらおさむ・藤原宰太郎）
怪物 by 島久平（しまきゅうへい）
葦のなかの犯罪 by 宮原龍雄（みやはらたつお）
湖畔の死 by 後藤幸次郎（ごとうこうじろう）
破れた生簀（いけす） by 田中万三記（たなかまさき）
湯紋 by 楠田匡介（すだきょうすけ）
疑似性健忘症 by 来栖阿佐子（くるすあさこ）
私は離さない by 会津史郎（あいづしろう）
童子女（うない）松原 by 鈴木五郎（すずきごろう）
静かなる復讐 by 千葉淳平（ちばじゅんぺい）
去る”密室”で by 渡島太郎（おしまたろう）
ライバルの死 by 有村智賀志（ありむらちかし）
青田師あおたしの事件 by 土井稔（どいみのる）

『「エロティック・ミステリー」傑作選』への招待 by 川田弥一郎（かわだやいちろう・作家）
太平洋戦争終結後十年の推理小説界と世相
「エロティック・ミステリー」「エロチック・ミステリー」「ミステリー」総目次 by 山前譲（編）
「エロティック・ミステリー」「エロチック・ミステリー」「ミステリー」作者別作品リスト by 山前譲（編）