瀬戸内海のまっただなかに木の葉のように浮かぶ一艘の小舟。
だが、その上にしつらえた大きなガラスの柩（ひつぎ）の中には、一人の美少年が身動きもせず横たわっていた！
助け出された少年が盲聾唖（もうろうあ）の三重苦とわかった時、ひどく同情した富裕な未亡人が彼を引きとった。
しかし、それが恐ろしい連続殺人事件の発端になろうとは・・・・・・。
無気味な背景に潜む見事なトリック。
（角川文庫「仮面劇場」カバーより引用）

（注）
「暗闇劇場」は、サンデー毎日（1938年10月～11月）に連載された「仮面劇場」が初出誌。
1942年7月に八こう社杉山書店から単行本発行時に「旋風劇場」に改題。
1946年10月一聯社から「仮面劇場」の内容を大改竄し「暗闇劇場」に改題。
以降刊行された「仮面劇場」は、一聯社発行の「暗闇劇場」を底本としている。